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ホーム > 学び・文化・スポーツ > 歴史・文化 > 文化財 > 高根沢町指定文化財の解説

高根沢町指定文化財の解説

1 台新田古墳 (飯室) 

町指定 第1号史跡

7世紀代・直径14~15m・円墳

喜連川丘陵の通称「辰街道」傍らの古墳群で、現存4基中の1基。昭和41(1966)年に発掘、町史跡に指定された。河原石積み石室で、玄室・玄門・羨道からなり、全長412cm。

 

2 桑久保(桑窪)城跡

町指定 第2号史跡

建久年間(1190~99)※現存する遺構は戦国時代

喜連川丘陵の支丘先端に立地する方形単郭の平山城である。築城は桑窪修理助秀春か谷口筑前守であると伝わる。歴代城主は在地の谷口氏で、戦国時代末期には宇都宮氏の支城となった。

 

3 阿久津城跡 (中阿久津)

町指定 第3号史跡

貞和4(1348)~慶長2(1597)

宝積寺台地の東西幅が最も狭まった地点に、南北約500mの城域を形成。宇都宮氏家臣の野沢若狭守の築城で、那須氏に対抗する宇都宮氏の前線拠点として役割を果たしたとみられる。

 

4 高根沢城跡 (上高根沢)

町指定 第4号史跡

観応2(1351)

宝積寺台地の東縁で急崖に臨む平坦地に位置し、南限は芳賀町境となる。改田で壊滅、企業用地となり概容も不明。高根沢兼吉の築城とされ、戦国時代末期には宇都宮氏の支城であったらしい。

5 上高根沢太々御神楽

 町指定 第1号 無形民俗文化財

上高根沢住民が明治初年から継いできた神楽。豊作、村内の安全などを願い、安住神社、長宮稲荷神社(寺渡戸)の祭礼に奉納されている。演目は三十六座あり、地元の熱意で伝承されている。


6 木造 阿弥陀仏立像 (桑窪・徳明寺)

 町指定 第2号 有形文化財(彫刻)

18世紀中頃・寄木造・像高82cm

玉眼入りの如来像で、本尊として本堂に安置されている。二代目住職の泰嶺がさくら市松山新田からこの像など一光三尊を移したという。台座裏面に嘉永6(1853)年に豊州藤原種秀が修理した旨の墨書がある。


7・8 花岡東下天祭たなおよびその行事・中阿久津東天祭たな及びその行事

町指定 第3号(花岡)・第4号(中阿久津) 有形民俗文化財

江戸時代末期・木造2階造

天祭は旧暦7月、盆前に行う豊作と災難除けの行事。天棚の二階に十二天を祭って供物を奉納し、行者が祈願し、お囃子に合せて掛け声と共に裸で天棚を回る。花岡、中阿久津、石末宿、石末原で行われてきた。現在は県内でもほとんど残っていない民俗行事。

 

9・10・11 宝積寺上組・中組・下組の天王祭屋台及びその行事

町指定 第5号(上組)・第6号(中組)・第8号(下組) 有形民俗文化財
江戸時代末期(推定)・木造

八坂神社(白鬚神社に併札)の天王祭は、旧暦6月15日~18日、神輿渡御(しんよとぎょ)に始まり鬼怒川に船屋台が繰り出す「船祭」と、上・中・下組の各彫刻屋台が勢ぞろいする屋台行列の「つけ祭」とにより行われてきた。昭和以降は新暦7月20日以降の土・日に前夜の屋台行列、当日の神輿渡御の例祭に変わっている。宝積寺の伝統行事として氏子結社が継承、往時の祭礼を今に伝えている。


12 宝積寺白鬚神社雅楽部

 町指定 第7号 無形民俗文化財

白鬚(しらひげ)神社の神事に際し奉納される雅楽は、白鬚神社・八坂神社の氏子有志(雅楽部)により伝承されてきた。創始は明治時代末頃と推定され、農業後継者たちを通じて伝承されている。

 

13 双幹欅 (個人所有)

 町指定 第9号 天然記念物

目通り周囲約4m・樹齢推定480年

高根沢地内では屋敷林や平地林、祠堂地などで欅の大木を見ることが多い。この双幹欅は屋敷林の北縁にある古木で、樹幹が中ほどから二本に分かれ、今も樹勢強く高々と枝葉を茂らせている。

 

14 神木欅 (宝積寺・白鬚神社)

 町指定 第10号 天然記念物

目通り周囲約7m・樹齢推定700年

白鬚神社は鬼怒川左岸の川岸にあり、正和2(1313)年に建立、洪水で社殿が流出し、元禄5(1692)年に再建したと伝えられる。幾度かの流亡の危機に耐え、拝殿前に立つこの欅は神木として保護されてきた巨木である。


15 青銅鋳造 地蔵菩薩半跏坐像  戸村将監、伊兵衛・作(上高根沢・浄蓮寺)

 町指定 第11号 有形文化財(彫刻)

安永2(1773)・像高195cm

右手に錫丈(しゃくじょう)、左手に宝珠(ほうじゅ)を持ち、左足を反花に懸けた半跏坐像。背面の銘文に上高根沢村名主以下、願主など45名の名前が陰刻されている。


16 題目板碑 (亀梨・妙福寺)

 町指定 第12号 有形文化財(考古資料)

緑泥片岩・(右)乾元2(1303)・高さ130cm、(左)元徳2(1330)・高さ106cm

2基とも那須烏山市福岡の同じ地点で発見、妙福寺に寄進された武蔵型板碑である。ともに同じ「南無妙法蓮華経」、両側に経典の章句を抜粋した偈 (げ)の刻文がみられる。


17 木造 十一面観世音菩薩立像 外二体 (桑窪・大安寺)

 町指定 第13号 有形文化財(彫刻)

平安時代末期・カヤ材・一木造・像高80~89cm

大安寺は、大同年間(9世紀初)に徳一大師が桑窪銭蒔の地に小堂を設け、十一面観世音菩薩、軍荼利明王(伝)、吉祥天の3体を奉ったことに由来するという。徳一作と伝えられる3体は観音堂に安置されている。


18 いとひば (上高根沢・浄蓮寺)

 町指定 第14号 天然記念物

根回り3.8m・樹齢推定320年

境内の中央、本堂前に立つ古木で、垂直に伸びた基幹と無数の枝張りが円錐状の樹形をつくっている。浄蓮寺は嘉永5(1852)年に全焼し、のちに再建されたが、このいとひばは焼失前の植栽の風をとどめている。


19 くすの木 (個人所有)

 町指定 第15号 天然記念物

根回り5.2m・樹齢推定220年

農家に維持されてきた屋敷林にある大木で、分岐した数本の太い幹が梢高くこんもりと茂った樹形をつくる。クスノキは暖地性の常緑高木で、県内では数少ない大木である。


20 木造 十一面観音菩薩坐像  広瀬宗運・作(個人所有)

 町指定 第16号 有形文化財(彫刻)

延宝8(1680)・檜・寄木造・像高61cm。

玉眼入りの坐像で個人の観音堂に安置されている。頭部に11面の化仏、胸に瓔珞(ようらく)を懸け左手に水瓶(すいびょう)を持つ。江戸初期の標準的な作風とされる。胎内に制作年と仏師名の墨書がある。

 

21 ひいらぎ (個人所有)

 町指定 第17号 天然記念物

目通り周囲約2.4m・樹齢推定270年

農家の屋敷林に混植されたひいらぎの大木。樹高に準じる範囲に半球状の枝張りがみられる。ひいらぎはモクセイ科の常緑低木で、このような大木は県内では珍しい。11月中旬に芳香のある花をつける。

 

22 木造 菅原道真公坐像 高田運刻、運春・作(中阿久津天満宮)

 町指定 第18号 有形文化財(彫刻)

安政2(1855)・像高54cm

衣冠束帯、箱型の台座に胡坐する彩色の木造で、黒衣の前面に金泥で天満宮の紋章・梅鉢紋を描く。憤怒の表情の「怒り天神」である。胎内に制作年と仏師の墨書がある。祭礼は毎年3月第1土曜日に行われる。


23 宝積寺稲荷神社本殿 (宝積寺上)

 町指定 第19号 有形文化財(建造物)

天保12(1841)・一間社流造・欅・覆屋あり

縁を廻し、屋根は茅葺だったものが現在は板葺に変わっている。大工・万治郎他の墨書、木彫工・後藤梅秀の彫名がある。参道の狐像は、安政5(1858)年の建立。


24 大谷高お神社本殿

  町指定 第20号 有形文化財(建造物)

江戸時代中期・一間社流造・銅版平葺き・覆屋あり

高お神社は多加於加美命(たかおかみつみこと)を祀る社で、大谷の祭祀は永正11(1514)年の由来と伝えられる。塩谷地方の神社本殿では古い時期に属する。


25 大谷薬師堂

 町指定 第21号 有形文化財(建造物)

江戸時代中期・寄棟造・茅葺き

大谷の関場にあった正善寺(1631年創建、1871年廃寺)の現存する唯一の建物。装飾はほとんどなく、素朴な雰囲気を漂わす。江戸時代中期の小規模な仏堂の特徴がよく表れている。祀像は現存しない。

 

26 御神刀・刀銘/一葉葵紋(ひとつばあおいもん) 一平安代(いちのひらやすよ)・作(大谷高お神社)

町指定 第22号 有形文化財(工芸品)

江戸時代中期・鎬(しのぎ)造・庵棟(いおりむね)・長さ74cm、反り2cm、目くぎ穴2個
鎬高く、腰反り、身幅もある造り込みで、作者得意の相州伝(そうしゅうでん)をもって作刀している。表棟寄りに一葉葵紋を、その下に銘を切っている。町歴史民俗資料館寄託展示。


27 宇津薬師堂 (上高根沢・宇津救命丸)

 町指定 第23号 有形文化財(建造物)

江戸時代末期・総欅・入母屋造・素木造・銅葺き

小児薬の宇津救命丸(株)高根沢工場に隣接する宇津家の持仏堂。建物の様式、彫刻などから江戸時代末の建立とみられる。薬師瑠璃光如来を祀り、格天井には牧野牧陵筆の龍、薬草を主とした花々が描かれている。


28 獅子頭 (個人所有)

 町指定 第24号 有形民俗文化財

元禄14(1701)・桐・顔幅、高さとも15~18cm

三匹獅子舞の三頭で、雄獅子2点、雌獅子1点。頭部の墨書に「元禄14年、那須湯に而買受」とあり、 上高根沢村名主が家内安全の守り神として伝えた。町歴史民俗資料館寄託展示。


29 紙本淡彩 鷹図  牧野牧陵・筆(個人所有)

 町指定 第25号 有形文化財(絵画)

明治時代・134cm×61cm

老松の梢にとまり辺りを威圧するような鷹の孤影で、筆線には牧陵の特徴がよく顕現している。牧陵最晩年の草体鷹図として、その資料価値は高い。


30 おだきさん (上高根沢)

町指定 第26号 史跡

湧水池・36m×10m

貧しく美しい娘「おだきさん」の入水伝説により地元民から愛護されてきた史跡である。清澄な池と水路には今もかつての田園の姿が残されている。


31 ガラス乾板写真 (個人所有)

町指定 第27号 有形文化財(工芸品)

大正~昭和初期・ガラス乾板151枚

大谷地区を中心に、写真愛好家が撮り続けた写真。農作業を軸に展開する日常生活の情景が鮮明に撮影されている。人馬、各種の行事、ハレの日の姿、今は失われた風景などの貴重な歴史記録である。栃木県立博物館保管。


32 銅造 双身毘沙門天立像 (伏久・広林寺)

 町指定 第28号 有形文化財(彫刻)

中世・像高11cm

蝋型による一鋳の鍍金像で火を受けて黒色に変色している。2体の毘沙門天が背中合わせに合体しており、全国でもわずかな例しかない珍しい像である。


33 木造 十二神将立像 (飯室薬師堂)

町指定 第29号 有形文化財(彫刻)

元禄3(1690)・像高30cm

十二神将は薬師如来に従い守護する夜叉で、憤怒の形相で甲冑を着けて、様々な武器を持つ。地元有力農民が薬師堂再興の寄進、造仏を行ったと墨書にある。

 

34 絵馬 四季農耕図 (飯室・星宮神社)

 町指定 第30号 有形民俗文化財

明治時代・欅・69cm×109cm・扁額形式

在郷の農夫が農業の繁栄を願って奉納。農作業の光景が描かれている。地租改正に伴う土地検査とみられる部分もあり土地制度の大きな変化を描いた貴重な資料である。町歴史民俗資料館寄託展示。


35 加茂神社梵天祭 (桑窪)

 町指定 第31号 無形民俗文化財

江戸時代後期頃からの五穀豊穣の祈願祭、雷を呼ぶ祭とも伝えられる。ご神体は女の神で、梵天は男根を表す。若衆が梵天を担ぎ、子孫繁栄を祈願し拝殿に何度も突き入れる奇祭。毎年3月第2日曜日に行われてい る。


36 絵馬 算額図 東江・絵(花岡白鳥神社)

 町指定 第32号 有形民俗文化財

明治時代・杉・82cm×119cm

額面には関流の師匠2人の名が連記され、師匠と弟子の姿が描かれている。明治末の和算衰退期に奉納された。円理の問題は易しく啓蒙的で、花岡に関流和算の学風が実在し、多数の支持者がいたことがうかがえる。町歴史民俗資料館寄託展示。

 

37 木造 大日如来坐像 一看行空法師・作(個人所有)

 町指定 第33号 有形文化財(彫刻)

承応3(1654)・寄木造・像高37cm

頭部に宝冠をいただき、体部には衲衣(のうえ)、偏衫(へんさん)、裙(くん)を着ける。両手は腹前で右手を上に禅定印を結び、右足を外にして結跏趺坐している。

 

38 上の原遺跡12号土坑出土一括遺物 (上高根沢) 

土器 町指定 第34号 有形文化財(考古資料)

縄文時代中期・21点

上の原遺跡は昭和52(1977)年に発掘調査され、居住跡・土坑など多数の遺構と遺物が出土した。関東・北陸・東北の3つの地域的特徴をもつ土器が同時期に存在したことを立証する発見となった。町歴史民俗資料館展示。

 

39 上高根沢小学校の藤

藤 町指定 第35号 天然記念物

根回り2.2m・推定樹齢100年

枝が藤棚いっぱいに蔓を広げ、5月には無数の紫色の花房が下がる。大正13(1924)年にご子息の卒業記念に赤羽吉次郎氏より寄贈され、この時すでに成木だった。卒業生や地域の人々によって大切に守られ育てられている。

 

40 大谷村文禄太閤検地帳 (個人所有)

太閤検地帳 町指定 第36号 有形文化財(古文書)

文禄4(1595)・34cm×25cm

豊臣秀吉が家臣・浅野長政に命じて実施した「太閤検地」の大谷村の記録。土地の等級・面積・石高・名請人が連記されている。当時の下野国内の検地帳の原本はわずかしか残っておらず、貴重な資料である。町歴史民俗資料館寄託展示。  

 

41 絵馬 酒造り図 北越 森庄吉・絵(大谷高お神社)

酒造り絵馬 町指定 第37号 有形民俗文化財

明治時代・杉、檜・83cm×181cm・扁額形式

地元の酒造家主人が奉納した生業絵馬。寒仕込の酒造りの工程を8コマ連続で描く。120年以上の間、良好な状態で保存されており、町の明治期の地場産業を今に伝える。町歴史民俗資料館寄託展示。

 

42・43・44 銅造 十一面観音菩薩立像・菩薩立像・地蔵菩薩坐像 (個人所有)

十一面観音  菩薩地蔵 町指定 第38号・第39号・第40号 有形文化財(彫刻)

鋳銅一鋳・ムク (左)十一面観音菩薩立像/鎌倉時代末期・総高7cm、(中)菩薩立像/南北朝時代・総高5cm、(右)地蔵菩薩坐像/室町時代・総高5cm

個人宅の敷地内にある阿弥陀堂脇の池から出土したもので、いずれも小さくお守りのように持ち歩いて使用されたと考えられる。3体とも火にさらされた上に長い期間土に埋まっており、過酷な状態にあったにもかかわらず保存状態が良い。時代が古いほど彫りが深い。「菩薩立像」は前後で衣装の形が違う珍しい仏像である。

 45 会橋久保経塚経石及び古銭

kyouseki 町指定 第41号 有形文化財(考古資料)

江戸時代中期・5~15cm程度の川原石に主に法華経を墨書・古銭(寛永通宝)

会橋久保経塚と呼称する硬く盛った経塚の下から四角錘状に積まれた墨書経石2,063点および寛永通宝1点が一括出土した。多字一石経に分類され、江戸時代中頃の念仏供養の実態や法華経の書写供養の実態について明らかにできる資料である。町歴史民俗資料館一部展示。

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